「当たり前のクリスマスに。」【Kanmi.の一粒】~ 日常にきらりと光る、Kanmi.が贈るひとさじの物語
Kanmiライターが贈るひとさじの物語。
日常にきらりと光る 心温まるエッセイ
ぜひご覧ください。
「当たり前のクリスマスに。」
やってきますね、クリスマス。
もう、あちこちに緑と赤と白。そしてイルミネーション。
キラキラし、はじめてます。
サンタがあちこちに現れてきました。
もう少しすると乗り遅れまいとそわそわしてきます。
この時期。思い出すのは小さい頃のクリスマス。ワクワクというか。あの頃のクリスマスってほんと興奮しました。
サンタがいるって信じていました。
煙突なんて無いのに何故か入ってくる。プレゼントが学研の地球図鑑という我が家のリアリティでも。
母親の作る料理がクリスマスだからチキン=唐揚げ。
普段あまり飲んだことの無い牛乳パックみたいなスジャータ。牛乳を入れたコーンスープが飲みたいとお願いしていたのに。お味噌汁とご飯で結局クリスマス感がまるでなかったり。
そういう矛盾はさておき。家族で食べるケーキが楽しみで。
でもそういう時に限って、兄弟喧嘩になってしまって。
折角の手作りのクリスマスパーティーの飾りつけが少しさみしく感じて。
でもそのあと仲直りに、アイスケーキのドライアイスをぶくぶくさせて喜んだり。
枕元にプレゼントが入らない普通の靴下をおいて寝てたり。
全てにワクワクしました。
我が家はツリーが無かったので、カーテンレールに、電球がピカピカする飾りを付けていました。みんなが寝静まった夜。たった一人で、その光を見ていると、よくわからないんですけど、聖なる夜を感じて。見とれていて。サンタがもうやってる、早く寝なきゃと布団に入りました。
でも。
いつからかは覚えていないんですけれど。
クリスマスのワクワクって減ってしまいました。
そんなにときめかなくなりました。
まるで何回もコピーをした文字みたいに。気付くと輪郭がぼやけて元の文字がわからなくなる感じ。
いつからかな。
楽しいんですけど。あの興奮はもう無いです。
そしてあっという間にやってきて。
そしてあっという間に去って行ってしまいます。
まだ1ヶ月あるなんて思っていたのもつかの間。気付いたらクリスマスイブを迎えています。高機能のタイムマシンに全人類載せられている様に。
そしてクリスマスのあとは1年間の中で最も時間が経つのが速い師走。
年末というゴールに向かい世界中が全速力で駆け抜けて。そして気付くと新しい年にバトンタッチします。
サンタの存在は、その頃には世界中の誰一人覚えていません。次の年の11月くらいまで。一緒にいるトナカイ以外。さみしい。一瞬で来ては去り、忘れられてしまいます。
そう考えると、切ないですね。
仕事終わりの満員電車の中で有名なテーマパークのクリスマスの広告ステッカーをぼんやり見ていました。煌めく光。雪が舞う中楽しげなパレード。サンタがやってくる。夢のようなクリスマスタイム。全世界が幸せになる。永遠に。
そんなイメージですよね。クリスマス。
電車がガタと揺れて現実に戻リました。
でも本当は、そんな世界は無いです。大人になって、気付いてしまっているんですよね。流石に。
永遠なんてものも、ないって。
全てが過ぎ去り2度と戻らない事。楽しかった亊も、悲しかった事も。全部。全て過ぎ去り、いつか忘れてしまう事も。
思い出という名の一枚の絵だけ残って。
嘘じゃん。気付いてるから。あの頃の興奮はないんです。
仕事終わりのボーとした頭で思いました。
電車を降りて少し寒い夜の空気の中、家路を歩きながら。
ふと。いつも一緒にいてくれる奥さんのことを考えました。毎日、一緒にいてくれるのが当たり前の人。
喧嘩して。絶対に今回は謝らないと思っても。持って2日。必ずこちらから謝ってしまいます。彼女の好きなチョコアイスをスーパーで買って。急ぎ足で家路に着く自分。
玄関をドアを開け、無理やりないつもの笑い方で。
すると、喧嘩していると思ったら、全然別の理由で拗ねていたりもするんですけど。
毎年やってくるクリスマス。一瞬で過ぎ去り、忘れられてしまうのに。サンタは同じ服装、同じ笑い方で。何事もなかった様に。永遠のワンパターンでやってきます。
なんだか、
自分と一緒だな。
寒さが増してきたな。そろそろマフラー出さなきゃ。
我が家のクリスマス。
クリスマスソングに背中を押されて。なんとなくケーキ買わなきゃとかそわそわとし始めて。
近所の小さな洋菓子屋さんが作るクリスマスケーキ「やっぱりあれが最高だよね」とか。
「今年はチョコケーキがいい」とか言いながら結局、いつもの白いケーキだったり。
あと今年のチキンはケンタかモスか、なんて相談して。折角だからオシャレなマリネとか作ってみる?どうやって作るんだっけと、クックパッド見てみたり。
小さい頃のワクワクはないけど。いいかも。
当たり前のクリスマス。
いつもは、プレゼントといっても買い物に行って、
お互いが欲しいものを買っていました。
今年は、奥さん、プレゼント準備してくれないかな。
言ってみようかな。プレゼント欲しいって。実はすごく嬉しいんだけど。
自分は今年は。こっそりと。プレゼントを用意するつもり。少しはワクワクしてくれるといいな。
一緒にいてくれることに感謝しつつ。気持ちをカタチにしたいと思います。
当たり前のクリスマス。毎年来るクリスマス。
そのありがたみを感じて。
〈終わり〉
田澤 正
神奈川県横浜市出身。
横浜にこの人ありと言われた鳶職の頭が祖父。
大学教授の父と高校教師の母の間に次男として生まれる。
音楽、コーヒー、雑貨、本。何気ない日常の景色を変えてくれるカルチャーに生かされて来た。
そんな瞬間を切り取りたいと文章を紡ぐ日々。
趣味はコーヒードリップ、カメラ、ギター演奏。
フィルムカメラは育緒氏に師事。
音楽は下北沢周辺を好む。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Kanmiが、あなたの大切な人へのプレゼントになったら。。
私たちは、その瞬間を想像しながら一生懸命作っています。手作りで。思いを込めて丁寧に。いつもあなたの、あなたの大切な人との生活に。思い出ではなく「今」に寄り添えるように。。
いつもは、存在を忘れるくらいの自然な使い心地。そしてふとした時に、持っていることで楽しくなる自然な存在感。。
あなたが、当たり前の、良いクリスマスを迎えられますように。
【男性へのプレゼントにおすすめ】
- カードケース
◆ soboku カードケース
¥ 4,180 (税込)
- コインケース
◆ soboku コインケース
¥3,410 (税込)
- お財布
◆ ドロップツリー L型ロングウォレット
¥13,860 (税込)
- お財布
◆ boku no ロマン コンパクトウォレット
¥10,450 (税込)
- キーケース
◆ 【数量限定】ドロップツリー ロールキーケース
¥ 4,950 (税込)
【クリスマスギフト特集】